アランと一緒に四国遍路。

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9日目-5・旅館 喜久屋
4月7日。

   旅館 喜久屋



喜久屋さんの玄関の板場、ザックの脇で腰を下ろして休んでいると女将さんが戻ってこられた。
「ご苦労さま。お参りに行ってきましたか?」
はい、今戻ったところです。お世話になります。
「これからお風呂を沸かすからもう少し待ってね。4時頃には入れるよ。昨日、あなたの他にも泊めてほしいって電話があったんだけど、おばさん一人だから大勢のお遍路さんのお世話は出来ないのよ。お断りするのは申し訳ないんだけどこの年だし、体もきつくなってるしね。部屋はこっちよ。お風呂が沸いたら呼ぶからそれまでゆっくり休んでてね。」
女将さんの後に着いて行く。
玄関から真っ直ぐ進み右手の広間、夕食はここでと言われた。
左手のガラス戸の向こうがが女将さんの住居のようだけど人の気配はなかった。

広間を通って一旦外へ出て別棟の玄関へ入る。
玄関を入る前の右手に洗濯機と乾燥機が置いてある。
洗剤はここにあるから使ってと言ってくれた。洗剤、洗濯機は無料、乾燥機¥200-。

別棟の玄関を入ると廊下の左に男子用と女子用のトイレと腰掛ウォッシュレット付きのトイレが並び反対側に洗面所。
廊下の右側に部屋が並んでいる。
廊下の突き当たりを左に曲がって2階への階段。
2階はコの字型の廊下になっていて部屋が並んでいる。

階段の突き当たりの部屋に通された。
部屋は8畳くらいの広さ。壁際に布団が3組たたまれ窓が2箇所。
小さなテレビと壁に新しいクーラーが着いてテーブルの上に茶道具が置かれている。

最初に入ってきた道路側の玄関の右側からも2階に通じる階段があった。
大勢のお遍路さんが泊まれる造りになっている。
「旅館 喜久屋」繁盛していた様子が窺える。

電話が鳴った。
のりこさんからだった。

もしもーし。のりこさん~、いまどちらですかぁ。
「haruさん~、元気ですかぁ。これから35番へ向かいま~す。」
私はもう宿でくつろいでますよぉ。
「ぎぇ、もう、お宿なのぉ!どこよ?」
喜久屋さんですよ、のりこさんは?
「ずっと、喜久屋さんに電話してたのに連絡取れなくって白石屋さんにお願いしたよ。」
白石屋さんは喜久屋さんの向かい。
明日、36番は一緒に行きますか?
「いいよ、明日一緒に行こう。明日の宿はどうする?」
汐浜荘さんに取れるといいですよね。私、電話してみます。取れたらのりこさんの部屋も予約入れておきましょうか?
「そうしてくれる?4時頃までには宿に入れると思うから後でまた連絡入れるよ。着いたら電話するね。」
はーい、予約が取れたら入れておきます。

明日のコース、宇佐大橋を渡り横浪スカイラインから36番青龍寺を打ち、また同じルートを引き返し宇佐大橋から仏坂峠を越えの道が距離が一番短い。
宇佐大橋手前の汐浜荘に宿が取れたら、荷物を預け36番を打って宇佐大橋から汐浜荘へ。
その翌日、汐浜荘から37番に向かう途中、須崎駅辺りまでのりこさんと同行できる。
地図を見ながら予定を立て、汐浜荘に電話を入れた。が、満員と断れてしまった。。。

36番から更に上ると仙台のおじさんが泊まると言っていた国民宿舎土佐がある。
「展望風呂があり、インターネットが使え国民宿舎と言うより1流ホテルのような施設とサービス」遍路サイトに賛辞が載っている。
電話を入れたが残念ながらここも満員。

36番手前の三陽荘はツアー団体専用のようなホテルと遍路サイトに載っていた。
粋竜に電話。
今夜はどこの宿かと聞かれた。喜久屋さんです、と言うと
「喜久屋さんからでは早く着き過ぎる」と言われた。

お風呂が沸いたから降りてきて、女将さんからの電話が入った。
洗濯物を持って下へ行く。

おばさん、国民宿舎も汐浜荘も満員で断られたので、粋竜さんに電話したら早く着き過ぎるって言われたんですよ。。
「明日は何時に出発するの?」
同行になったお遍路さんがおばさんのところ、連絡が取れなくてお向かいの白石屋さんに今夜泊まるんですよ。
明日一緒に行くんですが、遅くても7時前には出かけたいんです。
「7時前に出たら10時には着くね。それじゃ、奥の院へ行ってゆっくりお参りするって言いなさい。この前も一人歩きの女のお遍路さんが粋竜さんにそう言われたけど、奥の院へ行ってからと言って泊めてもらったのよ。あなたもそう言いなさい。私から粋竜さんに言ってあげようか?」
いえ、粋竜さんにもう一度電話してみます。
お風呂へ入る前、女将さんに言われたように粋竜へ電話を入れた。

36番奥の院へお参りし、ゆっくりしてきます。荷物を置かせてください。
「それじゃ、早い時間は人がいないので着く時間がわかったら電話を入れてください。誰かをやって、開けますから。」
宿には誰も住んでいない?とりあえず、のりこさんの分も予約を入れた。
「2部屋ですね。山側と海側の部屋があるけど、どちらにしますか?海側だと¥6,500-、山側の部屋は¥6,000-だけど。」
山より海がいい。海側のいお部屋でお願いします。

女将さんに報告。粋竜さんに予約が取れました。ありがとうございます。
明日一緒の人から連絡が入ってから出発の時間を決めます。私は早い方がいいけど。。。
「7時頃でいいんじゃない?ゆっくり歩いても10時には着くよ。朝の食事は?」
朝食はいいかな。後で出発の時間は決めます。洗濯機お借りします。
「朝食、そうしてもらうとおばさんも助かるわ。洗剤使ってね。あ~、ちょっと来て。」
女将さん、洗濯機のところへ行き、
「乾燥機、使ったけど未だお金が残ってるから、これで止めてあるの。後100円入れたら、綺麗に乾くよ。」
乾燥機の扉を洗濯ハサミで止めてある。
外して扉を閉めると残っているお金の分があるので未だ使えると教えてくれた。
ありがとうございます。使わせてもらいます。
お風呂、頂きます。
お風呂場の入り口に鍵を掛け、4時に一番風呂を戴いた。
家庭のお風呂より広く、流しの蛇口も2箇所着いていた。
髪を洗ってゆっくり手足を伸ばす。

お風呂から上がり、洗濯の終わっていた洗濯物を乾燥機に入れ、100円足して洗濯ハサミを外した。
食事が済んでから取り込めばいい。

浴衣に着替え部屋に戻り、携帯とカメラの充電。
お風呂に入る前に宿に着いたと本家に連絡を入れた。

布団を部屋の真ん中に敷き、寝転んで1日のメモをつけてると携帯が鳴った。
のりこさん。
「着いたよ~。これからお風呂に入るから夜、電話するね。」
お疲れさまでした。ゆっくりお風呂に入ってください~。

6時、夕食が出来てるから広間へ来てと女将さんから電話。
広間へ行くと、おじさんが二人テーブルに並んでビールを飲んでいた。

蒸した鯛とお刺身、サラダ、煮物、漬物が並んでいた。
女将さんが何か飲む?と聞いたが冷たいお水が飲みたかった。
お水を下さいと頼んでご飯を戴いた。
女将さんが氷を入れたお水と味噌汁を運んでくれ、ご飯は自分でよそってねと言いながら、私の耳元に口を寄せ小さな声で
「あなたの鯛が一番大きいのよ。」と笑って言ってくれた。
おじさんたちは女将さんの声が聞こえない。
今日は雨で大変だったとお酒を飲みながら話していた。

どちらからですか?
女将さんにビールと熱燗の追加を頼んだおじさんが私に聞いた。
新潟からです。
「私は大阪からです。今日は雨で大変でしたよね。」
「明日、私は5時に出発します。おにぎりを頼んでおこうかなー。」
もう一人のおじさんが熱燗を飲みながらひとり言のようにつぶやいていた。
二人のおじさん、連れではないようだ。
どの位の時間でどこまで歩けたと、それぞれ自慢するような会話をしていた。

食事を済ませ、お先にと部屋を出た。
乾燥機が終わっていた。
洗濯物をビニール袋に詰めてると、女将さんが側に来て、
「あのおじさんたちは、向こうの部屋でこっちはあなた一人。玄関は中から鍵を掛けられるし誰もこっちへは来ないからね。」
おじさんたちは表の方の部屋だそうだ。
別棟の広い一軒家、私一人で貸切。

部屋に戻って洗濯物や雨具をたたみ、ザックの中に詰めた。
歯磨きとトイレを済ませ、玄関の鍵を掛け部屋に戻った。

布団に入ってテレビを見てると、のりこさんから電話。
「遅くなってごめんね。こっちの宿、私一人よ。」
私も貸し切り状態、他におじさんが二人泊まってる。
あのね、汐浜荘も国民宿舎も満員でだめだったから、粋竜さんに予約しましたよ。のりこさんの分も予約を入れました。山側と海側の部屋があって海側の方は¥6,500で山側は¥6,000-なんだって。海側で取ったけどいいよね?
「そっか、汐浜荘だめだったんだね。オッケー、オッケー!海側の方がいいよね。山は昼間いっぱい見てきてる。」
明日、何時頃に出ますか?7時頃でいい?
「いいよ、7時で。朝食どうする?haruさんは頼んだの?」
ううん、頼んでない。おばさんにおにぎりでも頼んでおきましょうか?
「う~ん。。朝食パスしょうか?お接待でいろいろ戴いたのがあるし、コンビニかお店があったら食べるのを買おうよ。朝から食べてると体が重くなるよね。」
のりこさん、電話の向こうでケラケラ笑っていた。
じゃ、明日7時にね。私、のりこさんを迎えにいきますよ。
「大丈夫よ。私が7時にそっちへ行くからね。じゃ~ね。おやすみなさい~。」

のりこさんと明日の出発の打ち合わせをして女将さんに電話を入れた。
明日、7時に出発します。朝食は途中で食べることにしました。

天気予報、明日は晴れ。

27番下の”ドライブイン27”もそうだったけど、女将さんが一人で切り盛りしたり夫婦でお遍路さんのお世話をしている宿が多い。
家庭的な雰囲気、歩き遍路さんには嬉しいが、車で回るお遍路さんや団体さんは綺麗で大きなホテルや宿坊に行ってしまう。
綺麗に改装増築し本格的な宿にして商売を続けるか、こじんまりと1日数人の歩き遍路さんのお世話をやっていくか。。。
遍路協会さんの”四国ひとり歩き”本に載っている宿が廃業しているところもある。

低料金で高級ホテル並みのサービスを求めるお遍路さんたちにも問題がある。
お接待を期待したり、お遍路だから当然というような言動の人も多い。
老齢化の問題もある。後継ぎがいなくなればお世話したくとも出来なくなっていく。
商売抜きでお世話をしてくださる宿の人たち。
四国と言う人情と風土。昔ながらの遍路宿。
そういうことがだん々少なくなっていくのだろうか。
親切な喜久屋さんの女将さんとの会話、今までにお世話になった宿の女将さんや出会った人たちのことを思いだしているうち睡魔が襲ってきた。



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